皆さま改めまして、ごきげんよう。前前田撮太郎です。今回はなんでも神さまが週末に撮影会の依頼を受けたそうです。30組のお母さんと子供たちが参加する撮影イベントだそうで、拘束時間は09:00~18:00、その間に10分の撮影を30組こなすとのことで、生半可な神々しい気合だけではどうにもならないことを当の本人も気づいてしまったそうです。
モデルの宣材写真撮影、子供たちの家族写真、七五三、挙式からペットまで多くの撮影依頼をこなしてきた神さまですが、このような大規模な撮影会は初めてで、失敗のゆるされないFirst Takeが延々と続くわけです。いままでスタジオのストロボはもちろんのことクリップオンストロボも使用してきましたが、クリップオンストロボを嫌煙気味だった神さまでした。
近年ではミラーレス一眼やレンズの性能も上がりF1.8, F2.4など、高ISOのノイズ低減など、明るさが足りない場所でもある程度応用が利くものが増えてきました。しかし室内となると(かつ撮影場所が貸し会議室)必然的に光源が限られており、窓の有無、蛍光灯ででる影などカメラの性能のみでのカバーは難しくなるのが常です。子供さん相手とのこともありシャッタスピードも100,120あたり、200は暗いかな・・・でも100以下にはしたくない、ISO感度も1000は下ることはないでしょう。露出補正をしたところで、のっぺりするのは変わらずで。
そこで神さまの救世主となるのがストロボです。しかしモノブロックなどのストロボは運ぶのも大変!いやいやしかしクリップオンストロボはどうか!非常に小さく、携帯性も抜群!でもその分、パワー不足の懸念もあり。そこで登場するのがこのProfoto A10です。2020年の下半期に発売されたProfotoが未来へのスタジオライトと謳う最新ストロボA10に白羽の矢が当たったのです。

なぜA10を装備するのか
Profoto A10 はすでにご存知かと思いますが、ひじょ〜に高い!クリップオンストロボ界隈では最高級品で群を抜いて高価な製品です。それは普通のクリップオンストロボが2~3台分はあります。ソニーの純正の大光量高性能クリップオンストロボのHVL-F60RMでも75,320円(ソニーストア)で、このProfoto A10はOff-Camera kit for Sonyで142,780円です。うぬぬ〜高いなぁ。この値段感は少し予算にプラスアルファすれば純正2灯オペも構築できてしまう金額です。ではなぜそこまで高価なA10を神さまは選択したのか。
神さま曰く、「安心と信頼の製品を扱うことが大事だ」ということです。いわゆる撮影中の機材トラブル、動かなくなってしまう、電源が入らない、オーバーヒートしてしまうなど、使用中の思わぬトラブルが発生するということははお客様にとっては一生に一度しかないその瞬間を写真に収められない、台無しにしてしまうということ。これはプロとして全力で回避しなければいけないんです。
でも!撮影中はなかなか機材を気にかけて写真を撮り続けることができないというのが現実で、一瞬一瞬のシャッタチャンスを逃すまいとファインダーに釘付けなのは必死です。以前α7R4に135mmのレンズで連写をしていた際に、SDカードへの書き込みが追い付かず、カメラ共にフリーズしてしまう事例もありました。特に子供さんとのセッションとなるとその集中力はアルプスの頂上から地平線上の一点を見つめ続けるくらいのものとなり、いちいちカメラの状態をチェックするわけにはいかないのです。
直感でシャッタスピード、絞り、ISO感度、フォーカスなどを変更し、その瞬間の最適な設定でシャッターを切るフォトグラファーにとっては、カメラ機材の複雑な取り扱い、不具合ほど怖いものはありません。なのでカメラ周辺機器も直感で操作できるものであるべきで、かつ、そのような「動」の環境について来れるタフさと精密さを兼ね備えた製品でなくてはならないのです。
Profotoといえばストロボ世界二大勢力の一方で、対となるのはBroncolorと言われるほどです。それだけの業界牽引力はProfotoは持っている。まずはそのような会社が作っている最高級の製品が安心と信頼を兼ね備えていないわけはないのではないでしょうか。
高価であれば性能は良し。一概に言えることではない事実もあるのは承知ですが、それでもやはり価値の高いものには見合ったパフォーマンスが伴うということ。要は使用する側がどこまでそのパフォーマンス性を活かせるかという点が物事を煩雑にするわけですが、この点はここでは置いておきます。
Profoto A10とはどんなストロボか
Profoto A10は安心と信頼の製品だと書きましたが、それ以上にA10には魅力があります。それは「直観的な操作」が可能だということ。ディスプレイを見ていただけると一目瞭然です。そこには煩雑な表示が限りなく少なく、まず目に入ってくるのは白の太字で表示される光量を示す数字です。基本はTTL自動調光でいいのですが、マニュアルでもダイアルでこの数値を前後に動かすだけ。
明るすぎれば数値を小さく、またその逆です。オフカメラや多灯ライティングの時はTTLは使えませんが、それぞれボタンでグループ分けされ、各所を選択しダイアルで動かせばいいのみ。この確認作業だけで、撮影ができ、良き結果を出してくれる、まさにここが最大の魅力です。一方、ほかのクリップオンストロボはなんだかわからない表示が多いのではないかと思ってしまうのです。Profoto A10は指先のダイアル一つだけで満足に使用できてしまう。そんなシンプルなクリックオンストロボです。

A10の使用感
既に書いているように、ダイアルで数値を0.5-10で調整をすれば基本は問題なく使用可能です。TTLを使用すれば、カメラの設定に合わせて調光するため、ラグなく目の前の被写体に集中できるというわけです。A10のフラッシュヘッドは90度の角度調整と360度回転が可能で、カチカチっと気持ちよくかつ確実に角度を決めていけるので、バウンス撮影も思い通りに行っていくことが可能です。
Profoto Connectをカメラシューに装着すれば、オフストロボとして使用可能です。スマホでProfoto Controlアプリを使用すれば瞬時にA10とConnectに接続され、わざわざストロボを操作しなくともアプリ上で光量調整など色々な機能が使用できるのです。実際アプリを起動すると秒で機材につながり、制御が可能となります。アプリ連動はBroncolorのスコロー+Broncolor アプリでも経験しましたが、兎にも角にも各ストロボを動かずしてリモート調整設定できることで撮影もかなり捗ります。
A10の使用に関しては、個人的に指先に通って伝わるクリック振動が心地よく、またフラッシュヘッドがマグネット仕様になっており、付属のドームディフュザーなどがカチリとやや大胆につく、その感触が非常に写真を撮りたい意欲を駆り立ててくれる、そして困ったちゃんではなく、どっしりと頼りがいのある先輩というような印象です。
Profoto A10はおすすめのストロボである
アマチュアからプロまでどのようなレベルのフォトグラファーにも最高のパフォーマンスをしてくれるA10。高価な機材はその仕様から機能、また外見まで全くの妥協のないものは確かです。しかし写真撮影に必要なのはその二度とない素晴らしい瞬間にファインダー越しで立ち会え、シャッターを切ればきちんと写真が撮れているということ。Profoto A10はフォトグラファーに万全な撮影環境を整えるツールの一つとなるもは間違いないと思います。
後日談
え〜・・・ コホン。失礼しました。改めて、先週末に撮影会を無事終了した神さまですが、ちょっと突っ込まれダンマリになってしまいました。なんか可愛いところありますね。
さて、Profoto A10の活躍ぶりや撮影環境はどうだったのでしょうか?撮影会のステージは写真のように依頼会社のスタッフがパパッとスーツケースから設営をしてくれたそうです。

壁紙や緑のマット、その他、葉っぱ、テント、ボードなどなど小物も用意されていました。スペース的には家族4名(子供2名など)がまとまって座るくらいが限界なサイズですね。子供さんが前後に動き回るとスペースの狭さが顕著に出てきます。
このステージで1組10分間の撮影です。対象のご家族が0歳からの子供さんから受け付けており、大多数のご家族が0〜3歳の子供さんを連れてきていました。フォトグラファーには最低で10枚納品のノルマがあります。10分間で簡単な自己紹介、撮影説明、名前ボード撮影、本番撮影とかなりタイトです。
パシャパシャ撮り進めたいのですが、子供さんにより、まずは環境に慣れてもらうことを少しでもしないと、お父さんお母さんの元へ走っていってしまったり、動き回ってステージから飛び出てしまうことが多々ありました。まずはステージ上で落ち着いてくれるよう、お父さんおかあさんと一緒にステージ内で座ってもらい雰囲気作り、そしておもちゃ等でカメラに気を引かせパシャっとな感じです。
実際、10分間撮影というのは長いようで短いものです。1分間のスピーチが長く感じるのか短く感じるのかと同じように、要は時間配分をどうするかということ。スピーチと違うのが、スピーチは一語一句フォローしていけば時間配分ささえきちんとしていればどれほど感情を込めようが大した問題はありませんが、撮影は感情が全面に出てくるとなかなか収拾がつかないものです。
であればフェーズごとに分けていく。これが無難な感じはあります。終始、子供さんが上機嫌でベスポジにステイしてくれていればいいのですが、それはそれこそ神降臨状態であり、毎度神頼みもよくありません。フェーズごとに雰囲気を変えて、子供さんたちに新たなきっかけを、その子にあったものを親から、本人からヒントを得て撮影を取り進めていかなければなりません。
さて、機材はどうだったのか。カメラはSonyのα7R4、レンズは24-70GM, そしてProfoto A10でした。Profoto A10は三脚に取り付けオフカメラで使用、上記写真のように天井バウンスで使用しました。全体的に明るくなるようにA10のダイアルは8.5あたりでほぼ固定でした。ドーム型のディフューザーを取り付け柔らかい光がステージ上に届くように設定、アイキャッチも入るようBounce Cardも取り付けました。
会議室の一角とありストロボはやはり必須でした。大きな窓があり太陽光も入ってはきていましたが、撮影会が10:00~18:00の長時間とあり、天候により太陽光の入も違ってくるため、外界の光源に左右されないよう窓とは反対の隅にステージ設置です。これは神さまが到着した時には大体のステージ位置が決まっていたとのことでしたが。
神さま曰く、機材はA10をはじめそれぞれ最高のパフォーマンスをしてくれたとのことです。撮影会に関して饒舌になっていた神さまを見れば、機材がトラブったなど変に問題が発生しなかったことは大体わかりますね。手持ちのレフ板が一つあればいいかもなと神さまがボソッと言っていましたが、アイキャッチの光がBounce Cardともう一つ子供たちの目に映り込めばキラキラだろうなということだと思います。レフ板好きな子多いですしね!
一つ、機材に神経を使ったところがあるそうです。それはバッテリー問題。カメラ本体はもちろんのこと、A10の予備バッテリーは一つずつ持って行きましたが、やはりA10のバッテリ消耗は予想以上に早かったということです。常に充電をしているバッテリーが待機してますが、バッテリー残量などかなりまめにチェックしていたそうです。そしてオフカメラ使用するためのトランスミッターこれが一番の神経すり減りマターだったそうで、電池内蔵のため予備電池がなく、撮影合間で常に充電にさしていたそうです。トランスミッターもう一つ、うーん高価なんだよなあ。
今回の撮影会の参加者は13組と当初予定していた30組から大幅に減りました。その分合間が長い時が多く、充電などに十分な時間が取れていました。さすがのα7R4は電池一本で交換に必要なく、A10は一度電池交換ありという感じでした。30組フルで来ると果たしてどうなのか?
ありがたいことに神さまにまた撮影会の依頼が来たそうです!頑張ってもらいましょう!
ていうかなんで僕が編集すんのよ・・・。
Official LINE 友達追加お願いします!
